おおいまち消化器外科クリニック「ピロリ菌感染胃炎」
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ピロリ菌感染胃炎

ピロリ菌は5歳くらいまでの乳幼児期に、食事の口移しや食器の共用などを通じて、親子間、家族内で感染する事が多いと考えられています。
通常の細菌と異なり、強力な胃酸でも殺菌できないため、抗生剤での治療を行わない限り、取り除く事が難しい胃の感染症です。

ピロリ菌は胃内に長期間生息し、胃の粘膜に毒素を与え続けることによって、
慢性炎症をおこし、萎縮性胃炎という胃がんになりやすい状態を作り出します。
その間、胃の症状はほとんど見られないため、通常、検査をするまで患者様自身がピロリ菌の感染に気づく事はありません。
中高年になると胃の広い範囲が萎縮性胃炎の状態になり、胃がんの危険性が高まってきます。
実際、胃がん患者様の95%はピロリ菌感染が原因である事が分かっています。

胃がんの危険性が高くなる前の段階でピロリ菌の除菌治療を行ない、萎縮性胃炎を進行させない事が重要です。
30代までにピロリ菌を取り除くことで将来の胃がんの97%を予防できるとされており、
全く症状がなくとも早い段階でピロリ菌の確認検査をおこなう事がとても大切です。

ピロリ菌が原因となる疾患

胃がん以外にも次のような疾患がピロリ菌感染に関係しています。
慢性胃炎(萎縮性胃炎)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ポリープ、悪性リンパ腫(胃MALTリンパ腫)、鉄欠乏性貧血、血小板減少性紫斑病、難治性蕁麻疹

  • ピロリ菌を調べる検査

    尿素呼気試験:吐き出した息(呼吸)を紙バックの中に集めて調べる検査です。

    便柱抗原検査:便の中にピロリ菌の成分があるか調べます。

    血液抗体検査:血液中のピロリ菌に対する抗体を測定する検査です。

    検鏡検査:胃カメラで胃の組織を採取し、顕微鏡でピロリ菌を直接観察する検査です。

    培養法:胃カメラで胃の組織を採取し、培養してピロリ菌の確認を行う検査です。

    個々の検査の精度は100%ではないので、複数の検査を組み合わせて正確なピロリ菌の判定を行う場合があります。

ピロリ菌の除菌治療

2種類の抗生剤と、1種類の胃酸抑制薬を1週間内服します。
内服後5週間程度経過してから、ピロリ菌の除菌が成功したか確認するための検査を行います。
1度目の治療で除菌が成功しない場合は薬の組み合わせを変更して、再度除菌を行います。
2回目の治療まででほとんどの患者様の治療が成功しますが、うまくいかなかった場合や、
薬のアレルギーで通常の除菌薬の内服が難しい場合は、自費での除菌治療をお勧めしています。
なお、保険診療でピロリ菌の感染診断や除菌治療を行う場合には、胃カメラで胃炎と診断されている事が必要です。