2022.11.09
「便潜血検査」だけで大腸の検査は大丈夫ですか?
髙橋 聡
- Category
おおいまち消化器外科クリニック 院長の髙橋です。
今回は、ご質問を受けることの多い「便潜血検査」についてお話しします。
Contents
「便潜血検査」の本当の意味ってご存知ですか?
「便潜血検査」だけではポリープの早期発見は難しい
「便潜血検査」は「大腸がんや、大腸ポリープがあるかを調べる検査」、検査が「陰性ならがんもポリープもない」と考えてらっしゃる方が多いのではないかと思います。
残念ながら「便潜血検査」の精度はそこまで高いものではありません。「便潜血検査」で見つけられる大腸がんは、進行がんで約7割、早期がんでは5割以下であることが知られています。大腸がんになる前の大腸ポリープの状態ではさらに発見率が低いので、「便潜血検査」で早期の大腸がんや大腸ポリープを見つけることはかなり難しいのです。
「便潜血検査」を受ける意味は?
「便潜血検査」を受けることで、ある程度進行した状態ではあっても大腸がんを見つけるきっかけになり、外科手術や抗がん剤治療をしっかり受けることで「大腸がんによる死亡を減らす」事ができます。これが、「便潜血検査」を受ける意味です。
毎年「便潜血検査」を受けている方が、はじめて陽性になって大腸カメラをしてみたら進行がんが見つかった、というケースはそれほど珍しくありません。
皆さんのイメージする「便潜血検査」のイメージとは、大きく異なっているのではないでしょうか。
大腸がんの早期発見・予防のためには大腸カメラが必要です
現時点で、大腸がんや大腸ポリープの早期発見に最も有効な検査は大腸カメラです。早期の大腸がんや、大腸ポリープは内視鏡で治療する事が可能なので、ほとんど身体に負担をかけずに治す事ができます。
大腸がんになってから治療するのではなく、がんになる前のポリープを大腸カメラで切除する事で、大腸がんを予防する事が可能です。
特に症状がなくても、大腸ポリープが増えてくる40歳以上の方や、ご家族に大腸がんの方がいらっしゃる場合は、一度大腸カメラを受けることをお勧めします。
当院では、辛くない内視鏡検査にこだわって検査を行っていますので、悩まれている方は是非ご相談ください。