2022.12.22
「老化する胃」と「老化しない胃」の違いは何でしょう?
髙橋 聡
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おおいまち消化器外科クリニック 院長の髙橋です。
今回は、「胃の老化」についてお話しします。
Contents
胃が老化する原因は?
健康な胃は老化しません
突然ですが胃は老化しない臓器であることをご存知でしょうか?
胃や腸などの消化管の粘膜は細胞分裂が盛んです。
胃の粘膜は常に新しい細胞に生まれ変わっているので、加齢による変化をほとんど受けない臓器の一つなのです。
一方で、20代の頃は荒れていなかった胃が年齢とともに荒れていき、高齢になると炎胃がんが発生するという話も耳にします。
「老化する胃」と「老化しない胃」の違いはどこにあるのでしょうか?
胃の粘膜を老化させる原因は「ピロリ菌」感染である事がわかっています。
「ピロリ菌」感染のない胃は加齢による粘膜の変化をほとんど受けません。
一方で、「ピロリ菌」がいる胃は、年齢と共に慢性胃炎が進行していき、高齢になると胃がんや胃潰瘍を効率に発生するようになるのです。
以前は、日本人の大多数がピロリ菌感染者だったので、年齢とともに胃が荒れるのが一般的だったのですね。
現在では、ピロリ菌の感染のない、きれいな胃をもつ80代の方も珍しくありません。
「ピロリ菌」で胃炎がすすむと何が困るのでしょうか?
「ピロリ菌」は胃がんや胃潰瘍の原因です
「ピロリ菌」は幼少期に感染し、特別な事がなければ胃の中に生涯にわたり生息して胃の粘膜の老化を進めます。
老化した胃のことを「萎縮性胃炎」と言いますが、胃がんや胃潰瘍になりやすい状態である事が知られています。
胃がんを予防するためには、胃の老化がすすむ前に「ピロリ菌」を除菌する事が最も有効なのです。
除菌治療で胃がんを予防しましょう!
ピロリ菌の除菌治療は1週間の内服で終了し、治療中の生活制限もありません。
これまで一度も「ピロリ菌」の検査を受けたことのない方は、是非一度ご相談ください。
おおいまち消化器外科クリニックでは「ピロリ菌」の除菌治療を積極的にすすめています。
今回のブログの中で「胃の老化」とご説明したのは、胃の粘膜の荒れによる萎縮性胃炎の事を示しています。
胃痛や胃もたれなど胃の症状は、加齢による変化や自律神経失調などのさまざまな原因が関与する事がわかっています。