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2024.05.01

便秘を改善する生活習慣について考えてみましょう その3 「運動をする」

髙橋 聡

髙橋 聡

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おおいまち消化器外科クリニックの院長 高橋です。

 

今回は、便秘症と生活習慣について その3 です。

運動と排便の関係についてお話します。

 

「運動する」

運動不足な方は、まずは歩いてみましょう

便秘症と運動不足に強い関連性があることが知られています。

特に歩行と便秘症の関係については、いくつかの論文があります。

 

・40歳以上の便秘症の方に対しての研究で、「歩行が便秘症の予防因子だった」と報告されています。

 

・高齢者の身体能力を歩行の観点から研究した報告でも、「歩行力の低下に伴い便秘症が悪化」していました。

 

明らかな運動不足があれば、歩行を中心とした運動がおすすめです。

ハードな運動は便秘症に効果的?

実は、積極的な運動で便秘症が改善するという報告は多くありません。

通常運動量がある方が、さらに運動を頑張る事によって便秘症が改善する、という明確なデータはないのです。

 

個々の患者さんの運動量や、運動能力に差があるため、有効な研究が組みにくいという背景もありますので

今後の研究の成果が期待される分野です。

 

「肉体的な活動が大腸の運動を刺激し、便の大腸通過時間を短縮する」という報告もあり

適度に運動する事で、腸の動きが良くなり、排便をスムースにする事は期待できそうです。

 

排便には腹筋など様々な筋肉の連動が必要なので、運動不足による筋力低下は便秘の原因となります。

生活習慣と便秘症について

生活習慣の改善だけでスッキリと便秘が改善することは少ない印象ですが

脱水症、食物繊維や運動の不足など

足りない要素がある場合には、それらをしっかりと補ってあげる必要があります。

日常生活の改善で十分な効果が得られない場合には

身体に負担の少ない内服薬での治療を考えるのが良いでしょう。

 

突然発症した便秘症の場合は、大腸がんなどの疾患が関与していないことを確認しましょう。

大腸カメラなど内視鏡検査で通過障害をきたすような疾患がないことを十分に確認した上で

便秘症の治療に取り組む事が大切です。

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