1. トップページ
  2. ブログ
  3. バリウムの検査で胃にポリープがあると言われたんだけど、どうすればいいの?

2025.02.12

バリウムの検査で胃にポリープがあると言われたんだけど、どうすればいいの?

髙橋 聡

髙橋 聡

Category
おおいまち消化器外科クリニック 院長の高橋です
今回は、多くの患者さんから質問を受ける「胃のポリープ」についてお話しします
健診のバリウム検査や胃カメラで「胃のポリープ」が見つかった
一年後の経過観察を勧められたけど、取らなくても大丈夫?
と心配されている方は多くいらっしゃいます
結論から言うと、ほとんどの胃のポリープは放置しておいて大丈夫です
ポリープというと悪い病気の様に聞こえますが
発生した臓器によってその意味は大きく異なります
同じ消化器で言うと大腸の場合はポリープから癌が発生することが多いので
切除が必要となるケースが多いのですが、胃のポリープはそうではありません
胃がんの原因はほとんどの場合ピロリ菌が関与していることが知られています
胃のポリープも、ピロリ菌感染の有無によってタイプが全く異なります
1. 胃底腺ポリープ
頻度: 最も多く、全胃ポリープの約90%
特徴: ピロリ菌のいない健康な胃に発生します
2. 過形成性ポリープ
頻度: 胃ポリープの約8%
特徴: ピロリ菌感染のある胃に発生することが多い

 癌化リスク: 1-3%程度

 注意点: 20mm以上のものは癌化リスクが高まる
3. 腺腫性ポリープ(胃腺腫)
頻度: 比較的稀で、全胃ポリープの1%程度
特徴: ピロリ菌感染のある萎縮性胃炎に合併しやすい
 癌化リスク: 20-30%と比較的高い
 

胃にポリープがあったらどのようにすればいいの?

9割の胃ポリープは癌化しない胃底腺ポリープです
治療や特別な経過観察も必要ありません
残りの1割のポリープは癌化するリスクがあり
その発生にピロリ菌感染が関わっていることがわかっています

ポリープのタイプを確認しましょう

胃ポリープがどのタイプなのかを確認することが大切です
胃カメラの観察で確定診断できますが
バリウムの検査で「一年後フォローアップ」と指示された場合も
ほとんどの場合、胃底腺ポリープです

ピロリ菌の感染について確認しましょう

ピロリ菌感染のない方は多くの場合、胃底腺ポリープです
これまでにピロリ菌の検査を受けたことのない方は必ずチェクしておきましょう
ピロリ菌感染が陽性の場合は、過形成性ポリープや腺腫の可能性が高まります

ピロリ菌が陽性の場合は?

過形成性ポリープの場合はピロリ菌の除菌を行うことで
約80%のポリープが縮小または消失すると報告されています
ピロリ菌陽性の萎縮性胃炎の場合、胃腺腫が発生していることがあります
胃腺腫はポリープ以外の様々な形態をとることもありますが
ある程度の大きさがある場合は内視鏡的な切除を検討します

まとめ

胃ポリープの90%は癌化しない胃底腺ポリープです
残りの10%はピロリ菌感染に関連しており、癌化リスクがあります
ポリープのタイプとピロリ菌感染の有無を確認し、適切な対応をすることが重要です
多くの場合、経過観察で問題ありませんが
ピロリ菌陽性の場合は除菌治療や内視鏡的切除を検討する場合があります
おおいまち消化器外科クリニックでは、胃カメラや大腸内視鏡などの内視鏡検査を専門に行っています
胃や大腸の疾患でお悩みの方はお気軽にご相談ください

Category

Ranking

Archive