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2025.10.05

秋の胃腸をやさしく整える   季節の揺らぎと上手につき合うコツ

髙橋 聡

髙橋 聡

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おおいまち消化器外科クリニック 院長の高橋です。

 

今年の長い夏もようやく終わりを迎え、街路樹の色づきとともに「胃が重い」「食欲がわかない」といった声が増えてきました。

外来診療の中でも、秋口は例年、胃腸の不調を訴える方がはっきりと増えてきます。

季節の変わり目は体調が揺らぎやすい——これはよく知られた事実ですが

とりわけ暑い夏から涼しい秋への切り替わりは、胃腸にとって試練の季節です。

秋に胃腸の不調が増えるわけ

理由はいくつかあります。

まず挙げたいのは自律神経のアンバランスです。

内臓の働きは、活動モードの“交感神経”と休息モードの“副交感神経”のバランスで保たれています。

気温が下がると交感神経が優位になりやすく、さらに秋特有の寒暖差や台風による気圧変化が重なることで、

切り替えがうまくいかず、胃腸の運動が乱れがちになります。

 

次に、夏から秋への食行動の変化です。

夏は冷たい飲み物や甘いもの、アルコールが増え、たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足しがちです。

その “やや疲れた胃腸” に、秋の味覚を一気に楽しもうとこってりした料理や脂の多い食材を重ねると、胃酸過多や消化不良を招きます。

さらに、日照時間の短縮も見過ごせません。

日が短くなると、セロトニンやメラトニン、ドパミンなど神経伝達物質のバランスが変化します。

脳と腸は“脳腸相関”で密接につながっているため、気分や睡眠の乱れが胃腸機能の低下へと波及しやすくなるのです。

どんなサインが出る?

秋口によくご相談を受けるのは、胃もたれや食欲不振、早期満腹感、腹部の張り

みぞおち周辺の痛みや胸やけ、吐き気、便通の乱れ(下痢と便秘の反復)が続く方もいます。

胃腸に限らず、倦怠感や頭痛、肩こり、めまい、不眠、やる気の低下など、

自律神経の乱れを思わせる訴えが同時にみられることも珍しくありません。

秋の天候は移ろいやすく、気圧の波に体が引っ張られてしまうのですね。

今日からできる“やり過ぎない整え方”

対策の基本はシンプルです。

規則正しく1日3食、そして食べ過ぎ・高脂肪・強い香辛料・アルコールは控えめに。

就寝3時間前の飲食は避け、よく噛んでゆっくり食べるだけでも胃の負担は大きく違います。

温かい汁物を添えるのもおすすめです。

栄養面では、夏に不足しがちだったたんぱく質とビタミンB群、鉄、亜鉛を意識して補いましょう。

秋は、きのこや根菜類、鮭など、胃腸にやさしく栄養価の高い食材が揃います。

 

生活リズムも大切です。

朝は太陽光を浴びて体内時計をリセット、夜更かしは控え、起床・就寝時刻をできるだけ一定に。

就寝前1時間はスマホやPCの強い光を避けると、睡眠の質が上がり、結果として胃腸も整います。

ストレスは胃腸の大敵。1日10分の深呼吸・ストレッチ・軽い有酸素運動を続けるだけでも、自律神経は穏やかに整います。

入浴で体を温めるのも効果的です。

服薬や嗜好品にも目を向けてください。過度のカフェイン・アルコール、喫煙は、胃粘膜への刺激となり不調を長引かせます。

思い当たる方は、いったん見直してみましょう。

受診の目安と、早めの相談が必要なサイン

不調が続く場合は、まずお近くの内科でご相談ください。

初期対応で整うことも少なくありません。

そのうえで内視鏡などの検査が必要となった際には、当院で痛みに配慮した検査をご提供します。

検査のみのご依頼や、主治医の先生へ結果のご報告もできますのでご安心ください。

 

早めの受診をおすすめするサイン

  • 黒色便(タール便)・吐血、コーヒー残渣様の嘔吐

  • 体重減少貧血(ふらつき・息切れ)

  • 持続する強い痛み発熱頻回の嘔吐

  • 嚥下障害(飲み込みにくい)、新規の強い胸やけ

  • 50歳以上で新しく出た症状ピロリ菌既往胃がんの家族歴

おわりに——「整える」秋に

秋は、無理をする季節ではなく整える季節です。

食事・睡眠・運動を少しずつ見直すだけで、胃腸は驚くほど楽になります。

それでも不安や不調が続くときは、どうぞ遠慮なくご相談ください。

おおいまち消化器外科クリニックは、つらくない胃カメラや大腸内視鏡検査の専門クリニックです。

個々の患者様の状況に合わせた検査と治療をご提案します。

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