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2023.07.03

胃がんリスク検診(ABC健診)でどんなことが分かるの?

髙橋 聡

髙橋 聡

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おおいまち消化器外科クリニック 院長の高橋です。

今回は、胃がんリスク検診(ABC検診)についてお話しします。

 

胃がんになりやすいのはどういう方でしょうか?

およそ95%の胃がんは、「ピロリ菌の感染」により「胃の粘膜がいたむ」事で発症する事が知られています。

 

そのため

①「胃のなかにピロリ菌がいるか?」

②「胃の粘膜がいたんでいるのか?」

この2点を調べることによって、どのくらい胃がんになりやすいのかを推測する事ができます。

 

この考え方を利用して、血液検査で胃がんになる危険性を判定するのが、胃がんリスク検診(ABC検診)です。

 

胃がんリスク検診(ABC検診)結果の見方

胃がんリスク検診(ABC検診)では、「胃がんになる危険性」をAからDまでの4つのグループに分類します。

 

正常な胃は「ピロリ菌がいなくて」「胃がいたんでいない」、A群です。

A群の方は、ほとんど胃がんになりません。

 

ピロリ菌に感染すると、初期の段階では、まだ「胃はいたんでいない」、B群です。

 

ピロリ菌感染が進行すると「胃のいたみが進んだ」、C群になります。

 

最終的には、「胃がいたみすぎて」「ピロリ菌もいなくなってしまった」、D郡へと進行していきます。

 

A群からD群へと進行するにつれて胃がんのリスクが増していく事が分かっています。

胃がんの発生頻度は、B群で1000人に1人、C群で500人に1人、D群では80人に1人です。

 

ピロリ菌による胃の粘膜のいたみは進行していきますので、次第に胃がんになりやすい胃になっていきます。

したがって、ピロリ菌の胃炎が進行してしまう前に、なるべく早い段階でピロリ菌の除菌を行う必要があります。

 

検診をうける際に注意するポイントとは?

胃がんを確認する検査ではありません

胃がんリスク検診(ABC検診)は胃がんになるリスクを判定する検査なので、

胃がんそのものを調べているわけではありません。

 

また、ピロリ菌と関係ないタイプの胃がんの情報は得られません。

胃がんの有無を正確に調べるためには、胃カメラによる検査が必要です。

 

ピロリ菌検査の精度について

胃がんリスク検診では、ピロリ菌の確認を血液抗体検査で行いますが、

抗体検査の精度は100%ではない事にも注意が必要です。

 

抗体検査でピロリ菌が陰性の結果でも、

実際にはピロリ菌がいる(偽陰性)場合が数%ある事がわかっています。

 

ピロリ菌の有無をより正確に確認するためには、

尿素呼気試験や生検検査などの検査が必要になる場合があります。

 

こういった部分をしっかりご理解いただいた上で、

胃がんリスク検診(ABC検診)の結果を健康維持のために活用していく事が大切です。

 

品川区でも「胃がんリスク検診」を実施していますので、積極的に活用することをお勧めします。

 

おおいまち消化器外科クリニックでは、胃がんリスク検診(ABC健診)をはじめ、

ピロリ菌の検査治療を専門的に行なっています。

ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。

 

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